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ひとり

ひとりで生きていくって・・・・
昔はかっこいいって思っていた。

私が尊敬していた女性で、21で結婚して1ヶ月で別れ、
35すぎまで水商売で生計をたてて子どももつくらないまま
喫茶店を自分ひとりでやっていたひとがいる。

「私は私の思うように生きてきているから誰から批判されようと
 なんとも思わないし今の生き方を後悔しない」

彼女は口癖のようにいつもそう言っていた。

「男はかわいいもんよ。でも全てを信用してはだめ。
何でも最後は自分で決めなきゃ後悔するよ。」

独身時代男にふりまわされつづけていた私はよくこう
説教されていた。

彼女も年をとり、1人というのがさみしく感じるようになったころ
1人残った母親と2人で暮らしだし、ちやほやされていた時代は過ぎ
病気で倒れ、それまであったプライドがプチンと切れて
私に頼るようになってきた。そのたび彼女は

「金ならいくらでもあるから」

と私に言っていた。

私は別に何かしてほしくて、してあげているわけではないのに
一度喧嘩ごしに彼女にこう言ったことがある
「私はママ(彼女)が貧乏でもお金持ちでも犯罪者でも自分がしたくて
やっているのだから、私に対して気をつかわないで。もし、必要以上のことを
されると逆になにもしてあげたくなくなる!」

でも、きっとひとりだということが恐いから
そうやってお金で気持ちを買おうとしたのだということが
彼女が入院し、死を目前にするときに気がついた。

とても辛かった・・・・
わがままに生きてきた分、あれだけ仲のよかった人たちや
あれだけいろんなことを協力してあげてた人たちが
私が知っているだけで何人も葬式に足を運んでくれなかった。
もっと沢山人がきてもいいはずなのに・・・・
とてもさみしいお葬式になった。

ひとりで生きるとはそういうことなんだと改めて実感した。
by michiyoumimi | 2005-04-17 04:55 | ひとりごと
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